2008年11月30日
お花を愛する犬
私が1番気に入っていた仕事はペットホテルでもあった病院に預かった犬たちを散歩に連れ出すことだった。
高級住宅街をつやつやした毛並みの犬たちをつれて歩いていると自分がマダムになったような気分がしておかしかった。
なかでも想い出深いのはドイツ人の夫婦が飼っていたロットワイラーの「五右衛門」。
ロットワイラーといえば、危険な犬というイメージをもたれているけれど、五右衛門はいかめしい顔とごつい体とは裏腹に、だれよりも心優しい子だった。
お花が大好きで、お散歩に出ると道に植えられているお花に顔をうずめてしばらく香りをかいでいた。
お花からやっと顔を上げるとそこには満面の笑みがあって、その不細工な笑顔を見ると私は心底幸せになった。
高級住宅街をつやつやした毛並みの犬たちをつれて歩いていると自分がマダムになったような気分がしておかしかった。
なかでも想い出深いのはドイツ人の夫婦が飼っていたロットワイラーの「五右衛門」。
ロットワイラーといえば、危険な犬というイメージをもたれているけれど、五右衛門はいかめしい顔とごつい体とは裏腹に、だれよりも心優しい子だった。
お花が大好きで、お散歩に出ると道に植えられているお花に顔をうずめてしばらく香りをかいでいた。
お花からやっと顔を上げるとそこには満面の笑みがあって、その不細工な笑顔を見ると私は心底幸せになった。
2008年11月09日
チャウチャウの手術中に
文句ばかりのけだるい大人たちより、扱いやすかったからでしょう。わたしは院長先生に可愛がられ、単なるアルバイトにこんな事を教えてどうするんだ?というようなことまで教えてもらった。
腸ねん転を起こしたチャウチャウの手術中に、これが胃で、これが脂肪で・・・とか教えてくれるのだ。
そのうちにアンプルから注射器に薬を入れて手渡すことがだれよりも早く、上手になってしまった。
予防注射の時期をお知らせするダイレクトメールを送るのも任せられていたので、だれそれさんちのなにちゃん、何才というのを覚えてしまった。カルテの場所も把握していたので、その子が来れば同時にカルテも診察台に出せるというのがひそかな自慢だったりした。
腸ねん転を起こしたチャウチャウの手術中に、これが胃で、これが脂肪で・・・とか教えてくれるのだ。
そのうちにアンプルから注射器に薬を入れて手渡すことがだれよりも早く、上手になってしまった。
予防注射の時期をお知らせするダイレクトメールを送るのも任せられていたので、だれそれさんちのなにちゃん、何才というのを覚えてしまった。カルテの場所も把握していたので、その子が来れば同時にカルテも診察台に出せるというのがひそかな自慢だったりした。
2008年10月10日
動物病院の個性的な面々
アルバイト募集で入ったその病院は大学の馬術部の馬とかまで診ているけっこう大きな所で、院長先生のほかに先生が3人くらいと看護婦さんやトリマーさんが何人もいた。
私は高校生でもちろん1番年下。大人の世界というものをじっくり観察した年月だった。
院長先生は40代でボヤンとしているおぼっちゃまタイプ。人はすごくいいけど、社会でやっていくのはけっこうしんどそうに見えた。
私がいつもいっしょに働いていたのはあと4人。
院長の悪口ばかり言ってる30代の男の先生と患者さんが来なければ全く仕事をしない20代のでっかい男の先生。それに、いつもテキパキしっかり者のトリマーさんとバーのママみたいな物憂げな看護婦さん。この人は腕は確かだけど、ものすごいヘビースモーカーでいっつも輪っかの煙を作ったり、吸殻をゆびでたたき落としたりしていた。
この4人が集まるとどうも動物病院が場末のバーに見えて仕方がなかった私は、外へ出て薬の整理をせっせとやっていたっけ。
ただ、どの人も患者さんが来ると人が変わったように生き生きと動き出し、動物が本当に好きなことでは一致していた。
私は高校生でもちろん1番年下。大人の世界というものをじっくり観察した年月だった。
院長先生は40代でボヤンとしているおぼっちゃまタイプ。人はすごくいいけど、社会でやっていくのはけっこうしんどそうに見えた。
私がいつもいっしょに働いていたのはあと4人。
院長の悪口ばかり言ってる30代の男の先生と患者さんが来なければ全く仕事をしない20代のでっかい男の先生。それに、いつもテキパキしっかり者のトリマーさんとバーのママみたいな物憂げな看護婦さん。この人は腕は確かだけど、ものすごいヘビースモーカーでいっつも輪っかの煙を作ったり、吸殻をゆびでたたき落としたりしていた。
この4人が集まるとどうも動物病院が場末のバーに見えて仕方がなかった私は、外へ出て薬の整理をせっせとやっていたっけ。
ただ、どの人も患者さんが来ると人が変わったように生き生きと動き出し、動物が本当に好きなことでは一致していた。
